冬の食料用に始められた真鯉飼育

冬の食料用に始められた真鯉養殖

豪雪地域にある山古志では、かつて冬場に交通が途絶することも珍しくありませんでした。そこで冬場のタンパク質を確保するべく、飼育されていたのが真鯉です。春に棚池で孵化させた稚魚を棚田に放して稲とともに成長させ、並行して親鯉などの成魚を棚池で飼育。そして降雪前に、成長した鯉を棚田棚池から家の庭の池に移し、保存して冬場の貴重な食糧として利用してきました。こうした稲作+真鯉生産システムが、現在の棚田棚池における稲作+錦鯉生産システムの素地となっています。
その後、江戸時代の文化・文政期(1804年~1830年頃)に、棚田棚池で育てていた真鯉の中から、突然変異により微かに赤色を帯びた「色鯉」が発生し、それを保存し継続飼育した結果、現在の錦鯉がつくり出されました。