独自の水利システムと管理体制

山古志には、雪解け水や天水、湧水や横井戸などを複合的に利用できる特徴的な水利システムがあります。中でも、山肌に向かって横に堀り、地下水を湧出させる横井戸は、山間地の地形や、豊富な雪解け水が浸透する地層の存在という山古志の自然環境に見事に適応したものです。また、貴重な水の管理のために重要な役割を果たしたのが、「マキ」と呼ばれる社会組織。マキとは一種の血縁集団であり、マキを単位として生計維持や資源管理が行われてきました。
こうした水利システムと管理体制により、平時は養殖のための池として、渇水時には稲作用の貯水池として、フレキシブルに変化させることができる棚池が生まれ、錦鯉養殖を始めとするユニークな農文化を育んできました。