棚田棚池の維持管理が生み出した景観

棚田棚池を活用した養鯉によって多くの棚田が棚池へと転換されたことで、山古志では全国的にも類を見ない、山間部に池が集中する日本の原風景と言われる景観を構成してきました。例えば積雪初期には、水が貯まっている池の水面のみ雪が溶けた景観に、積雪期には池のあぜが高いことから堀りの深いエッジが明確な積雪景観になり、多くの人の心を惹きつけています。
斜面の日あたりを良くするため、棚田棚池周辺は定期的な草刈りなどの維持管理が欠かせません。こうした管理作業が継続されてきたことが、生物多様性や生態系機能の維持、絶滅危惧種の保全に繋がっているのも、山古志の特徴。希少種の保全と人間活動が偶然ながらもうまく結びついています。