危機を救った錦鯉の外部ネットワーク

新潟中越地方では、2004年10月23日に「新潟県中越地震」が発生しました。山古志地域の主要道はことごとく寸断され、多くの棚田棚池が崩壊。全ての住民は非難を余儀なくされ、手塩にかけ育てた稲、牛、錦鯉を放置せざるを得ませんでした。しかし、人びとは普段の水管理の知識や、マキを軸とした協働・共助システムを駆使して、3年後には棚田棚池を復興。山古志での生活を再開しました。
さらには全国各地の錦鯉生産者が、震災後すぐに被災地を訪れ、親鯉救出、親鯉貸与などの支援にあたったほか、世界の錦鯉愛好家たちも義援金などを通じて、この地域を支援。内部的な紐帯だけでなく、錦鯉の流通網を基にした外部的なネットワークによる紐帯が、山古志の復興に貢献したのです。